第76回 世界最古の写真集

こんにちわ、久々の写真バカです。
今回は写真集の紹介をします。
写真集といっても、半端ないですよ。世界最古の写真集です。1844年ですから、日本じゃ幕末、ペリーの黒船もまだ来てません。

イギリス人、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット(トルボット)の『自然の鉛筆』という写真集です。フランス人ダゲールとともに写真の発明者の一人に数えられる人ですね。

今やデジタル全盛ですが、「レンズを通って焦点を結んだ画像の濃淡を、何らかの方法で画として定着したもの」である写真は、170〜180年前の彼らの発明から歴史が始まっているんです。デジタルカメラは光の強弱を電気信号に変換して記録しますが、ダゲールやタルボットは化合銀に光が当たると黒化するという性質を使いました。
写真はその発明当時、ゲージュツ家じゃなく化学者の扱うものだったんです。

ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット(トルボット)『自然の鉛筆』
ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット(トルボット)『自然の鉛筆』

ところが、この化学者タルボットの撮った写真、最初こそ葉っぱや布切れを置いて撮った、「画が写る」ということにだけ意味があるようなもんだったんですが、ページをめくると、ほんの数年で、写真がどんどん、現在の 「写真」に向かって走り出すのがわかります。カロタイプ法の申請前後10年間くらいの、印画がめきめき鮮明になっていく時間の早回しのような感動。
写真の歴史180年の、ほんの黎明期の短期にごんごん転がりだす歯車。

化学から一瞬でゲージュツの方へ転換するスピードに感動を覚えます。
目の前の事物がそのまま写るという嬉しさにタルボットがうち震えているような、喜びや感動がそのまま写真集から放射されている気がします。

ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット(トルボット)『自然の鉛筆』
ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボット(トルボット)『自然の鉛筆』

ダゲールやタルボットやニエプス、といった19世紀の化学者がいなければ、写真は発明されず、いぬづか写真室もなく(笑)、みんながスマホで日々の記録を撮り合うような光景もなかったわけですね。

僕の持ってる本はPHAIDONという海外の出版社のものですが、もうすぐ赤々舎という出版社から日本語版が出版されます(日本語版出るならこっちを買えばよかった・・・ちっ)。
また、京都国立近代美術館で現在開催中のコレクション展で、タルボットの写真や写真集が展示されています(3/21まで)。僕はまだ行ってないですが、写真を発明した人の写真ですから、ちょっと拝んでおかなきゃ、と思っています。ご参拝、ですねw

みなさんも、興味あればぜひ。

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